社員インタビュー

Interview

特別な目標がなくても、30年続いた仕事

昔-ドライバー・今-運行管理 / 2002年11月
S2さん

「つなぎのつもりで入った仕事が、28年続きました」

―― タクシー業界に入ったきっかけは?

30代前半まで、調理師として11年間働いていました。
次の職場が決まるまでの“つなぎ”として選んだのが、タクシーの仕事です。

理由は単純で、
近所にタクシー会社があったから。
新聞の折り込みチラシを見て、
「これでいいか」と思ったのが始まりでした。

―― 調理師時代と比べて、どうでしたか?

調理師になった理由も、今思えば単純でした。
「調理師なら食いっぱぐれないだろう」と。

実際、食費はほぼかからず、
生活に困ることはありませんでした。

ただ、
タクシーに関しては完全な未経験。
しかもペーパードライバーでした。

―― 最初は大変でしたか?

正直に言うと、
最初は苦労の連続でした。

事故も多く、
「向いていないのでは」と思った時期もあります。

それでも、
大きな会社の中で、
気の合う仲間に恵まれ、
少しずつ仕事に慣れていきました。

―― 続けることになった理由は?

給料は、調理師時代の倍近くになりました。
加えて、休みの自由度が高かった。

その居心地の良さに惹かれ、
気づけば、何年も経っていました。

今では管理職となり、
車に乗ることはありませんが、
乗務員時代に出会ったお客様が、
今のパートナーになったりと、
人とのつながりも大きく広がりました。

―― 京都については?

もともと、
京都に特別な関心があったわけではありません。

ただ、
何年も市内を走るうちに、
自然と京都のことを知るようになりました。

これは、
この仕事ならではだと思います。

―― 最近のライドシェアについて、どう思いますか?

今話題のライドシェアですが、
タクシーの仕事も、ある意味では
昔からのライドシェアだと思っています。

車を運転し、
お客様を目的地まで送り、
料金をいただく。

そのシンプルさが、
この仕事の本質だと思います。

―― 働き方について教えてください

タクシーの魅力は、
忙しい時期に集中して働き、
閑散期には長期休暇を取れることです。

収入に波はありますが、
年収500~600万円を目標に、
無理のない計画を立ててきました。

調理師時代も、
「自分の店を持ちたい」とは思わなかったように、
タクシーでも個人タクシーを目指すことはありませんでした。

―― 仕事を続けてこれた理由は?

安全第一で、
お客様をきちんと送り届ける。
必要な収入を得る。

そのスタンスを崩さなかったことが、
30年続いた理由だと思っています。

特別な夢や、大きな目標を持っていたわけではありません。
正直に言えば、
どこにでもいる、ごく普通の人間だったと思います。

ただ、
派手なことをしなくても、
才能がなくても、
目の前の仕事を真面目に続けることはできました。

タクシーの仕事は、
何かを成し遂げたい人だけのものではありません。
「大きなことは望まないけれど、
ちゃんと働いて、生活を成り立たせたい」
そんな人にも、現実的に続けられる仕事だと思います。

―― 最後に、これから考えている方へ

好きな仕事に就けるのが理想ですが、
自分に合った仕事は、
最初から分かるとは限りません。

人に勧められたり、
偶然声をかけられたり、
そんな“助け舟”がきっかけになることもあります。

最初は関心がなかった仕事でも、
やってみたら、
意外と自分に合っていた。

そうした偶然が、
人生の大きな転機になることもあると思います。