タクシー業界の現実|ドライブレコーダーが映す“乗務員の非”とプロ意識の欠如

ドライブレコーダーが映す「乗務員側の非」──ゼロではありません
タクシーの役割は、お客様を安全に、正確に、そして気持ちよく目的地までお送りすること。
それは、サービス業としての基本であり、乗務員一人ひとりが常に意識しているべき姿です。
……しかし現実は、いつも理想どおりにいくわけではありません。
近年、車内にもドライブレコーダーが設置されるようになり、
「お客様トラブル」だけでなく、乗務員自身の問題行動もはっきりと可視化される時代になりました。
ここでは、実際に当社で発生したケースの中から、
「これはさすがに…」という行動例をいくつかご紹介します。
❶ 「遠回り」──ナビのせい…では済まされない
「ナビがそう案内した」「混雑を避けたつもりだった」
一見もっともらしい説明ですが、映像と走行ルートを照らし合わせてみると
「なぜそこを通った?」と首をかしげたくなる遠回りもあります。
お客様にすれば、疑念や不信感を抱くのは当然。
悪意がなかったとしても、プロとしての感覚が問われる行為です。
当社では、このような事案には指導と始末書の対応を行っています。
❷ 「目的地まで送らない」──それ、乗車拒否です
「行き先が分からない」「知らない道は走りたくない」
そんな理由で目的地手前でお客様を降ろす――これは論外です。
今や多くの方がスマホを使っています。
お客様に「自分で調べてください」という姿勢は、プロの放棄に他なりません。
こちらも当然、厳重指導と始末書対応となります。
❸ 「二重決済」──“うっかり”では済まない
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カードを通したのに「通っていない」と思い込み、現金も受け取ってしまう
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アプリ決済されたにもかかわらず、改めて現金を要求してしまう
これらは、多くが乗務員の勘違いです。
しかし本来、間違えようがないようにシステムは設計されています。
複数の決済手段がある中で、基本の確認を怠るのは、プロ意識の欠如と見なされても仕方がありません。
❹ 「余計な一言」──価値観のズレがトラブルになる
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「あそこは人だらけで面白くないですよ?」
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「神社に行くのに他力本願じゃだめですよ?」
……これらは、実際にあった乗務員の一言です。
本人は雑談のつもりでも、お客様からすれば不快に感じることもあります。
さらに、
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ナビをお客様のスマホで起動させようとする
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映像ではこちらに明らかな非があるにも関わらず、「相手が100%悪い」と強く主張する
といった行動も、「乗務員としての自覚が問われる」事例です。
✅ 最後に
タクシー業界全体の信頼を守るには、
「お客様が悪い」「相手が悪い」と言う前に、自分たちの振る舞いを見直すことが必要です。
映像はごまかせません。言い訳も通じません。
今の時代、誠実さと冷静さをもって日々の仕事に向き合える乗務員が求められています。
それこそが、この仕事の価値を次の世代に繋いでいく力になると、私たちは信じています。